『尾張名所図会』の大法寺(右上の方に小さく)
中瀬町にある。臨済宗の妙心寺末。元和三年(1617)、藤田民部少輔安重の建立。本尊は釈迦仏で運慶作。
喝食石 門前にある。高さが二尺ほど地上に出ている。諸願にしるしがあるといわれているが、その由来は分かっていない。
歴史的な大法寺の位置
『名古屋市史』には次のようにある。
此地は寿正寺の古跡であった。藤田民部少輔安重が、その亡き父母の為に地を買って建立した。開山は舊山宗石、二世は東雲宗震、三世は獨園宗祇。本尊は正観世音菩薩立像(黄金像で、甚目寺の本尊であったと伝わる。脇士には地蔵菩薩、不動明王の各木立像。もとの本尊は運慶作の釈迦牟尼仏木像であったが、徳源寺再興の時に同寺の本尊と成った。)
『張州雑志』には次のようにある。
雨滴天目
茶台
芦屋釜
現在の大法寺
大法寺の位置
現在、大法寺は南区に移転しているようである。移転した経緯などの詳細は不明であるが、山号と寺号が『尾張名所図会』と一致しているので、移転したことは間違い無さそうである。
喝食石についても現在どこにあるのかは不明である。